フリーターはシフトの融通が利きやすく、比較的自由な働き方です。
しかし、正社員と比べると将来性は不安定な面があります。
「フリーターとして自由な働き方を続けるのも悪くはないけど、将来のことを考えてそろそろ就職したい」と考えている人もいるのではないでしょうか。
この記事では
- フリーターが就活を成功させる方法
- ブラック企業を見抜く方法
以上の2点について解説しています。
フリーターから正社員になるために押さえておきたい事柄が網羅されています。
記事を読むことでフリーターが正社員を目指す際に必要となる知識が身につきますので、ぜひ最後までお付き合いください。
フリーターは正社員になれるのか?
フリーターが正社員を目指す場合は正しい方法で就活を進めることが重要です。
ここでは、フリーターが正社員を目指す際の注意点をご紹介します。
フリーター歴が長くても就職をすることは可能ですが、フリーター歴が長ければ長いほど正社員になるハードルが上がる傾向があります。
採用担当者の中にはフリーター歴が長い人にマイナスイメージを抱く人も少なくありません。
ただし、正社員ではないとしても一か所で長く働いた人であれば、特定のスキルが身についている人もいるでしょう。
他の人にはない特定のスキルがあれば有利に就活を進めることも可能です。
また、未経験者を積極的に採用している企業では、「新卒であるか」「社会人経験はあるか」といったことにこだわらず、熱意を重視するケースもあります。
大手企業など人気企業ではフリーターは不利になりやすいため、中小企業など倍率の低めの企業も視野に入れましょう。
フリーター歓迎の求人を多く扱っている就職支援サービスを利用するのも有効です。
人手不足の業界や企業が多いため、20代であればフリーターでも就職しやすいです。
就職エージェントも20代までを対象としているものが多く、求人も30代以上は少なくなります。
30代の採用では経験やスキル、マネジメント能力などが求められる傾向にあります。
とはいえ、ハローワークなどでは30代以上で職歴がない人向けの求人もそれなりにあります。
しかし、ハローワークの求人の中にはブラック企業も少なくないので気をつけましょう。
フリーターは就活しないといけないのか?
フリーターを続けるか正社員を目指すのか、どちらがいいかはその人のライフスタイルや目標によって異なります。
しかし、フリーターは職歴として評価されない傾向にあります。
また、仕事を転々としている人は「一か所で長続きしない人」だと思われてしまうかもしれません。
安定や収入、信用、将来性を重視するなら正社員を目指し、どうしても夢や自由を諦められないならフリーターを続けるのも一つの手段です。
正社員になることのメリットとデメリット
フリーターを続けるか、正社員を目指すかを決めるための判断材料として、正社員になることのメリットとデメリットをご紹介します。
正社員ならではのメリットは以下の通りです。
- 退職金
- 充実した福利厚生
- フリーターに比べて収入が高めで、安定している
- 研修が充実している
- 責任のある仕事を任せてもらえるためスキルアップしやすい
- 社会的信用があるためローンの審査が通りやすくマイホームや自動車の購入に有利
高い収入や安定が魅力的だといえます。
正社員ならではのデメリットは以下の通りです。
- フリーターに比べて労働時間や残業が多い傾向がある
- 異動や転勤で都道府県をまたいで引越しをしなければならないこともある
- 責任が重いためプレッシャーやストレスを感じやすい
フリーターと比べると仕事の負担が重い点をデメリットだと感じる人もいるかもしれませんね。
フリーターが就活を成功させるコツ
フリーター期間が長いほど就職が難しくなるので、正社員になりたいのであればなるべく早めに就活を行いましょう。
フリーターが内定を得られる期間は平均で3ヶ月程度かかるといわれており、生活費に余裕がない人はアルバイトをしながら就活をすることをオススメします。
フリーターが就活を成功させるコツは以下の通りです。
- ビジネスマナーを身につける
- 就職しやすい職種を選ぶ
- 就職支援機関を利用する
- 自己分析を行う
- 自己分析を元に履歴書や職務経歴書を作成する
それぞれ解説します。
正社員であれば充実した社員教育を受けられるため、仕事の進め方やビジネスマナーが身についている人がほとんどですが、フリーターは名刺交換の方法や電話応対など社会人としての基本的なビジネスマナーが身についていない場合もあります。
社会人として働くためには円滑なコミュニケーションやマナーが欠かせないので、企業もビジネスマナーを重視します。
就活を成功させるためにはまず、ビジネスマナーを身につけましょう。
フリーターが正社員を目指す場合は、「未経験者可」「経験不問」という条件の求人だと採用されやすいでしょう。
介護、営業、小売・販売などは有効求人倍率が高く採用される確率が高いです。
特別なスキルが無くても挑戦できたり、人材が不足していたりする職種が狙い目です。
特別なスキルが無くても挑戦できる職種としては
- 接客業・販売業
- ドライバー
- 清掃業
- 工場や倉庫作業
といったものがあります。
また、人材不足の職種としては
- 農業
- 介護・福祉
- IT
といったものが挙げられます。
さまざまな産業にIT技術が導入されているため、ITの専門知識がある人材への需要が高まっており、人材不足となっています。
一人で就活しても上手く行かない場合は就職支援機関を上手に活用しましょう。
ここでは代表的な就職支援機関について解説します。
ハローワークは厚生労働省が運営する総合的雇用サービス機関です。
基本的に無料で利用でき、数多くの求人を調べることが可能です。
全国500カ所以上あり、求職者のさまざまなニーズに応えています。
ハローワークと派遣会社を比較すると、派遣会社は民間企業が運営しており、派遣の求人のみを扱っています。
一方、ハローワークは無期雇用の正社員の求人が多い傾向にあります。
ただし、ハローワークはブラック企業の求人も少なくないのが実情です。
長期に渡って求人を出していたり、口コミサイトの評価が悪かったりする場合は注意するとよいでしょう。
ハローワークが運営する就職支援機関として、主に30代以下の若者を対象としたジョブカフェがあります。
ジョブカフェでは求人検索や、「自分のやりたいことがわからない」「向いている仕事がわからない」といった悩みをキャリアカウンセラーに気軽に相談できます。
他には就職セミナーや職場体験といったイベントもあります。
ジョブカフェを利用できる年齢は地域によって異なるため、利用を希望する場合は住んでいる地域のジョブカフェに問い合わせましょう。
就職エージェントとは求人紹介や面接対策など就職や転職全般をサポートしてくれるサービスです。
ニートやフリーターが挑戦しやすい求人を多数用意している就職エージェントもあります。
フリーターが就職を目指す場合は、フリーターに対するフォローが手厚い就職エージェントを選ぶとよいでしょう。
なお、研修型就職支援サービスは敬語の使い方や電話の応対方法など、社会人として身につけなければならない基本的なことを学べるため、社会人経験がない人におすすめです。
就活を進める上では自己分析が欠かせません。
自己分析とは自分について正しく理解する作業のことを指し、以下の項目について明確にします。
- 性格
- 長所、短所
- 適性
- 価値観
自己分析を行うことで、自分がやりたいことや、できることが明確になり、志望業界や企業を絞り込むのに役立ちます。
自己分析は過去に経験したことを書き出し、その時に感じたことや行動を分析し、自分の性格・強みや弱みを把握します。
自己分析の経験がない人が、一人で自己分析をするのは難しいものです。
ジョブカフェや就職エージェントなどで、自己分析の知識がある人と一緒に行うことをおすすめします。
フリーターが就活を進めるステップ
就活を成功させるためには、計画を立て着実に進めることが必要です。
ここではフリーターが就活を進めるステップをご紹介します。
自己分析で自分自身についての理解が深まったら、自分に合う業界や職種を絞り込みましょう。
自己分析で明確になった興味に合い、強みを活かせる業界や職種を選ぶのがよいです。
また、業界研究や企業研究を行い、その分野で働いている人の実際の声を聞いたり、仕事の様子を確認したりすることで、自分が働くイメージが湧きやすくなります。
また、企業の求める人物像を確認し、自分が活躍できる企業であるかを確認しておきましょう。
希望の業界や職種が定まったら求人に応募しましょう。
求人の探し方には以下の方法があります。
- 気になる企業の公式サイトをチェックする
- 就活サイトで求人検索をする
- 就職エージェントで専門家に相談して自分に合った企業を紹介してもらう
- ハローワークで求人検索をする
- 求人情報誌で求人検索をする
「未経験者歓迎」や「フリーター歓迎」と記載されている求人であれば比較的採用されやすいです。
フリーターが就活を行う際に面接でよくある質問は?
フリーターが正社員採用の面接を受けた際は、「どうしてフリーターをしていたのか」や「フリーター期間中はどのようなアルバイトをしていたのか」を聞かれることが多いです。
目標があってフリーターをしていたことを伝えることで、面接官に納得してもらえる可能性が高まるでしょう。
ここでは面接でよくある質問と答え方のポイントについてご紹介します。
フリーターから正社員になりたい、と思った動機をわかりやすく伝えましょう。
「正社員は安定しているから」「正社員だと社会的に認められるから」といった理由だとあまり良い印象を与えることはできません。
この回答では自分の都合を優先していると思われるからです。
正社員になって、その企業で長く働き貢献し、同時に自信の成長やスキルを磨きたい旨を伝えるとよいでしょう。
自分が働くことでその企業にどれだけ貢献できるかを具体的に述べてください。
面接官はこの質問をすることで、応募者が企業や業界についてどれだけ理解しているかを見ています。
企業の事業や理念が自分に合っていることを伝えるとよいでしょう。
自分のビジョンを示し、その会社で長く働きたいという意欲を述べ、フリーターとして経験したことの中で活かせることを話すと好印象を与えられます。
フリーターとしてさまざまな職種を経験し、幅広い視野や適応力を身につけたことを強調するとよいです。
フリーターとしてさまざまな職場で働くために適応力が身についている人も多いと思います。
適応力や柔軟性は正社員として働く上で、重要な要素です。
このようにフリーターならではの経験や、強みをアピールすると効果的でしょう。
企業はこの質問を通して応募者の性格や価値観を把握したいと思っています。
また、ストレス解消法や、仕事以外で学んでいることはあるのか、といったことも知りたいと考えています。
答え方としてはポジティブで印象の良い活動を選ぶとよいでしょう。
印象の良い活動の具体例としては以下のものがあります。
- 読書
- 運動
- ボランティア活動
- 趣味のサークル活動(音楽、スポーツなど)
逆質問とは面接の最後に「何か質問はありますか?」と面接官から聞かれる質問を指します。
逆質問を通して、下記のような事柄を知りたいと考えています。
- 社会人としての基礎が備わっているか
- 熱意・志望度の高さ
- 応募者の疑問や不安点
- 積極性
- 応募者の人柄が社風に合うか
逆質問は少なすぎても、多すぎてもいけませんので、2~3個ほど用意しておきましょう。
給与や休日など待遇面についての質問ばかりだと「仕事に対する意欲が低いのかな」と思われてしまう可能性があるので、気をつけてください。
余裕があれば資格を取得しよう
フリーターが正社員を目指す際、必須ではありませんが、希望職種に関連する資格があれば有利になります。
資格を取得することで自分の知識や技能を客観的に証明できるからです。
特に職歴に不安を抱えがちなフリーターは、資格があることで自信を持って就活できることも大きなメリットだといえるでしょう。
また、職種によっては資格手当が出ます。
ただし、専門知識が不要の営業職などでは資格を持っていても、アピール材料にならないことも。
スムーズに転職活動を進められるよう、自分の希望する職種に資格が必要かどうかをリサーチすることをおすすめします。
ブラック企業を見抜く方法
せっかく正社員として就職できたとしても、入社した企業がブラック企業では長く続けることは難しいもの。
ある程度の規模がある企業であれば、ネットの口コミや評判で判断できることもありますが、ネットに情報がない場合に確認する方法として以下のものがあります。
- 残業が長すぎないか
- 常に求人情報を出していないか
- 社内・社員の雰囲気が悪くないか
ブラック企業は常に人材不足に悩まされているので、社員に長時間労働を強いるケースが多く見られます。
求人票や募集要項に長時間の残業時間が記載されていたり、記載自体がなかったりする場合は注意が必要です。
また、ブラック企業は社員がすぐ辞めるので頻繁に求人情報を出す傾向があります。
長期的に求人を出していたり、頻繁に求人を出していたりする企業の場合は慎重に調査をしましょう。
そして、会社の雰囲気も重要です。
ブラック企業はオフィス内の整理整頓がなされていない、社員の雰囲気が暗いといった特徴があるので、面接など会社を訪問した際に注意して観察してください。
さいごに
フリーターが正社員を目指す場合、若い方がより良い条件で就職しやすくなります。
特に20代であれば、求人も多いので早いうちに行動することをおすすめします。
とはいえ、現代はあらゆる仕事で人材不足となっていますので、30代以降のフリーターも正社員になれる可能性は十分にあるため、諦めないことが重要です。
一人で就活を進める自信がない人は、ハローワークや就職エージェントなどの就職支援機関を上手に活用するとよいでしょう。
自己分析を通じて自分の適性や目標とする業界を明確にすることで、より適した職場に就職できる可能性が高まります。