
「ビルメンへの就職はやめとけって言われることもあるみたいだけど、実際はどうなのだろう?」
「ブラックな職場で消耗することだけは避けたい。ビルメンは働きやすい仕事だというイメージもあるけど実際に入社する前に実情を知りたい」
こういった悩みを抱えていませんか?
ネットの書き込みを見ていても様々な意見があり、何が正しいかわかりづらいですよね。
この記事はビルメンとして半年間働いたことのある私の経験と、15年以上の経験がある現役ビルメンの友人から聞き取った体験談をお伝えし、転職先としてビルメンを選ぶべきかどうかを判断する際の参考となる内容となっています。
この記事では主に
- ビルメンはやめとけと言われる7つの理由
- ビルメンの仕事内容
- ビルメンに向いている人・向いていない人
という内容を紹介しています。
ぜひ最後までお読みください。
ビルメンはやめとけと言われる7つの理由
ビルメンはやめとけと言われる理由として業界独特の特徴や働き方があります。
ここでは以下の7つをお伝えします。
ビルメンは24時間ビルに滞在しているケースが多いので、泊まり勤務(宿直)がある現場も多いです。
日勤は朝の8時から10時の間に出勤し、8時間勤務し帰宅。
宿直は朝の8時から10時の間に出勤し、仮眠5時間前後があり翌朝まで勤務というケースがよく見られます。
仮眠はありますが、何かあれば電話で起こされますし、自分の部屋以外では眠れないという人にとっては厳しい環境だと言えるでしょう。
ビルメンは他の業界と比べると給料が少ないのもやめとけと言われる大きな理由の一つです。
平均年収は350万円前後、平均月収は20万円後半程度となっており、全業界の平均年収約400万円を下回っています。
給料は生活を維持するためにも当然必要ですが、働くモチベーション維持にも欠かせないものなので仕事を選ぶ上で重要視する人は多いでしょう。
ビルメンの仕事内容は人によってはやりがいを感じにくいという面もあります。
基本的に決まったスケジュールに沿って設備点検や建物内の巡回などを行うルーチン業務がメインです。
ビルメン業界で15年以上働いている私の友人はルーチン業務が苦にならず、むしろ「淡々と仕事が出来て心地がいい」と言っていますが、「やりがいを持ってバリバリ仕事をしたい」と考えるタイプの人であれば物足りないかもしれません。
オフィスビルや商業施設等テナントと同じビル内での現場では対応で苦慮する場面も少なくないです。
エアコンの不具合、トイレの詰まりなど様々なトラブルに対応しなくてはいけませんが、お客様は少しでも早い解決を要求してきます。
私も専門業者じゃないと対応できないようなことを「すぐになんとかしてくれ!」とクレームを言われたこともあり、どうすればいいか困惑しました。
そのときは先輩社員が上手くお客様をなだめてくれ、なんとかその場をしのぎましたが、ああいった事が続いてしまうとメンタルがやられてしまいます。
ビルメンの仕事はあまり専門性を求められませんが、その代わりに幅広く色々な仕事をしなくてはいけません。
ゴミ拾いなど楽で簡単な雑用もありますが、以下のような汚れ仕事もあります。
- トイレや排水管の詰まり対応
- 汚水槽の点検や不具合対応
- ゴキブリ等害虫駆除
誰でも避けたくなるような仕事ばかりですが、ビルメンとして働く以上こなさなくてはいけません。
「汚れ仕事は絶対嫌だ!」と思う人はビルメンには向いていないでしょう。
ビルの管理とは関係ないような雑用をしなければいけない場合もあります。
草むしりや共有スペースの掃除、北海道でビルメンとして働いている友人は雪が降ると雪かき要因として作業をしています。
ビルメンは「何でも屋」のような仕事なので、人によっては嫌気がさすかもしれません。
ビルメンとして働いている人の中には癖がある人が少なくないです。
「あまり人と関わらないで済みそう」といった消極的な理由でビルメンを選ぶ人もいるので、どの現場も少し変わった人がいます。
私は半年でビルメンを辞めてしまったのですが、その理由はとても意地悪な先輩にいじめられたからです。
その人は常に勉強をしており業務知識は素晴らしかったのですが、かなり人間性に問題があり職場の皆から嫌われていました。
目を付けられてしまった私はその人から無茶な要求を度々されてしまい、上手くできないことを激しく罵倒され耐えきれなくなってしまいました。
ビルメンの仕事内容について
続いてビルメンの仕事内容について見ていきましょう。
実際は幅広く様々な仕事を行っていますが、ここでは主な業務を挙げていきます。
ビルや商業施設の設備管理を行います。
具体的には機械や備品の動作確認、壁等の状態確認・メンテナンス、劣化箇所の簡単な修繕などです。
他にはポンプや空調機器などのメーターの記録、それを元に分析をします。
管球や電球の交換も受け持ちます。
衛生管理もビルメンの主な仕事です。
具体的には美観を損ねないようにビル内やビルの周りのゴミ拾い、飲料水の安全性の確認、空気が汚れていないか等、建物内にいる人が気持ちよく安全に過ごせる状態を保ちます。
建物内に不審者が入り込んでいないか、もし入り込んでいたらどういった要件なのかを問いただす場合もあります。
警備員がいない現場であればビルメンが建物内の安全を守らなければいけないので、状況によっては危険な場面に遭遇してしまうかもしれません。
そして、火災報知器や防災シャッターの状態確認など防災・防火の管理体制がきちんとなされているか点検することも大事な仕事です。
ビルメンとして働くために必要な資格
ビルメンとして就職するためには基本的に資格が必要です。
特に以下の4つの資格はビルメン4点セットと言われており、取得しておくことで有利になるでしょう。
- 第二種電気工事士
- 第三種冷凍機械責任者
- 危険物取扱者乙4類
- 二級ボイラー技士
ちなみに私は職業訓練校で第三種冷凍機械責任者を除いた三つと消防設備士の資格を取得したこともあり業界大手のビルメン会社に就職できました(いじめられて半年で辞めてしまいましたが…)
第二種電気工事士は筆記だけではなく、技能試験があるため多少の訓練が必要です。
私は訓練校で他の受講生と一緒に学び合格できたこともあり、訓練校をおすすめしますがそこまで難易度が高いわけではないので、YouTube動画等を参考にした独学でも勉強はできると思います。
また資格は入社した後にも役に立ち、基本のビルメン4点セットで4~5千円、三種の神器と言われる難易度の高い三つの資格があれば更に1万円程度昇給するケースが多いです。
やめとけと言われるビルメンとして働くメリット8つ
ビルメンはやめとけと言われる理由について解説してきましたが、ビルメンならではのメリットもあります。
ここでは8つのメリットを見ていきましょう。
ビルメンは交代制の職場がほとんどであり、特別な事情がない限り残業をしないで帰ることができます。
ビルメンとして働いている友人もほとんど残業をしておらず、月5時間未満の残業の月が多くしっかり自分の時間を持てており、趣味の時間も確保できています。
ビルメンの仕事は同じことの繰り返しが多いので、一通り仕事を覚えてしまえばそんなに大変な仕事ではありません。
15年以上の経験がある現役ビルメンの友人も元々は引きこもりのニートでしたが、今ではビルメンとして立派に活躍しています。
現場にもよりますが、ブランクがある人でも続けていきやすい仕事だといえます。
多くの現場で宿直→明け→休みというサイクルを採用しています。
明けの日は仮眠があり、ほとんど仕事をしないので、本来の休日と明けを合わせると事実上の休日が年間200日以上というケースもあります。
休みが多いというのは仕事を選ぶ上で重要なポイントなので大きなメリットでしょう。
ビルメンとして仕事をしていけば以下のような建物の設備に関する専門知識が身につきます。
- ボイラー設備
- 電気設備
- 水道の配管
- 空調設備
知識と経験があればより待遇の良い職場への転職も視野に入りますし、現在の職場で役職が上がり給料が上がる可能性も高まります。
特にホテルや商業施設など「忙しくて大変な職場」といわれる現場ではすぐに知識が身につきますが、楽な現場におり、かつ自律的に勉強しない人は20年勤務していても素人とあまり変わらないという話もよく聞きます。
建物の数だけビルメンが必要とされるので、仕事が無くなることは考えにくいのもメリットです。
ただ、どの業界でも言われていることですが、AIの更なる進化によって誰でもできるような単純な仕事は無くなる可能性もあります。
例えば、館内見まわりなどはAIでも代わりが務まるかもしれません。
しかし、テナント対応など細かな気配りや普段からの人間関係が必要な仕事は人間が担い続けることになるでしょう。
ビルメンは勤務時間の大部分を建物内で過ごすので、夏は涼しく冬は暖かい環境で働くことができます。
工事現場や警備など外で働く業種と比べると大きなメリットといえます。
応急処置のような簡単な補修はビルメンが行うこともありますが、それ以外の機械の故障など専門的な知識や技能が必要なものは業者を呼んで任せることができます。
その際ビルメンは、管理・監督という立場で作業を見守ることになりますが、向上心のある人は業者とコミュニケーションを取って知識を吸収します。
ビルメンとしてスキルアップを目指すのであれば、専門業者から学ぶ姿勢が欠かせません。
泊まり勤務など夜間は何かトラブルが発生しない限り待機していることが多いので、業務や資格取得のための時間に充てることも可能です。
給料をもらいながら、将来のために勉強することができるのは大きな魅力だといえるでしょう。
やめとけと言われるビルメンに向いている人
やめとけと言われることも少なくないビルメンですが、向いている人にとっては働きやすい仕事になることもあります。
続いて、ビルメンに向いている人についてお伝えします。
24時間体制でビルを管理している現場が多いのでそういった現場は夜勤があります。
夜勤に対応できる人はそれだけでビルメンとしての素質があるといえます。
とはいえ、体質的にどうしても夜勤が難しい人の場合は日勤のみの現場もあるので探してみましょう。
夜勤ありの現場と比べると給料は低い傾向にありますが、体を壊したら働くこと自体ができなくなるので、日勤の仕事に就くのもアリだと思います。
ビルメンは他業種より収入は低めですが、その分自分の時間を確保しやすくなっています。
「給料は生活できる程度でいいから、その代わりプライベートを大事にしたい」という人には向いているでしょう。
ビルメンに高度な専門知識が要求されることは多くはないですが、最低限の知識は必要です。
働きながらボイラー設備や電気など設備管理全般について勉強していかなければいけないので、こういった分野に強い苦手意識がある人は向いていないといえます。
ちなみに私は機械が苦手ということもあり、全く向いていなかったと感じます。
工業系や機械系の学校を卒業している人であればスムーズに仕事を覚えて行ける可能性が高いと思いますが、全く関係の無い学部卒の未経験者でも活躍している人はたくさんいます。
大事なのはやる気だといえるでしょう。
ビルメンに向いていない人
ビルメン業界独特の傾向があり、向いていない人にとっては苦痛が多くなってしまいます。
下記の特徴に当てはまっていないかチェックをしてみてください。
家庭を持っている人であれば、家族と休みを合わせて出かけたいところですが、ビルメンの多くの現場ではシフト制になっています。
どうしても土日祝日に休みたいのであれば他の仕事を探した方がいいかもしれません。
ビルメンの仕事は決まった時間に館内巡回、空調機の点検をするなど、毎日同じような仕事をします。
ルーチン業務が苦手だったり、忙しい仕事じゃないとやりがいを感じられなかったりするような人は向いていないでしょう。
ただ、ホテルや商業施設はビルメンの中でも激務と言われており忙しい方がいいという人は選択肢の一つとして考えても良いと思います。
もしもブラックなビルメン会社に入ってしまったら
色々評判を調べたとしてもブラック企業がどうかを完全に見極めるのは難しいもの。
万が一ブラック企業に入ってしまうと度を超えた激務だったり、陰湿ないじめが行われていたりするので、体調を崩す可能性が高いのが現実といえます。
入社してすぐ辞めるのは気が引けると思いますが、ブラック企業で働く必要はないので思い切って他のビルメン会社を探した方がいいでしょう。
私も大手ビルメン会社に就職しましたが、たちの悪いいじめを受けるようなブラックな環境だったこともあり、半年で辞めました。
無理して頑張っても精神が参ってしまうだけだったので、あの時の判断は正解だったと思っています。
人手不足の業界なので50代以下で資格があれば再就職も可能な業界です。
ビルメン業界への熱意がある人ならば、きっと自分に合った職場が見つかるでしょう。